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ブックカフェ日記

7月23日、月曜日。快晴。☀️ 今日は、午後から鹿児島県私立幼稚園協会教員研修 南薩大会 設置者園長研修会に参加してきました。

私がどうして図書館ボランティアを始めるようになり、指定管理者として名乗りをあげるようになったかを話し、指宿図書館の歴史を話しました。

大正13年に初めて指宿村立図書館、今和泉村立図書館ができたこと。今年で指宿のまちに図書館という建物が出来て94年経過していること、その重みについて話しました。

鹿児島県立図書館は、明治35年に森有礼文部大臣の功績を記念するため鹿児島県私立教育会が鹿児島県私立教育会附属図書館として建設されたのを前進としています。明治42年には鹿児島県私立教育会附属図書館を私立鹿児島図書館と改称し、明治45年には 私立鹿児島図書館を県に移管,鹿児島県立図書館と改称しています。 鹿児島県下でもまだ公共図書館建設は少なかったことでしょう。そんな中に指宿図書館は、大正13年に建設されているのです。今和泉村立図書館と指宿村立図書館が同時にできていたことを思うと、薩摩今和泉家との関わりもあるのかなぁと推測することでした。

また、昭和1年、1926年に海音寺潮五郎は、國學院大學卒業、鹿児島県立指宿中学校(現在の指宿高校)に国漢教師として赴任していました。海音寺潮五郎氏も指宿図書館を使っていたのだろうなぁと推測したり。 また、島尾敏雄夫妻は1975年(昭和50年)温泉がある指宿の二月田、殿様湯近くに移住していました。文豪の愛したまち指宿でした。島尾敏雄に関してはこんな記録もありました。 ――県立図書館の久保田彦穂(椋鳩十)館長と予算交渉のため出て来たが、予定より早く終わったので、温泉でも入ろうと思い、ぶらりと指宿へ足が向いたという。(中略)山川港が眺望できる岬のホテルを選んだ。(前橋松造 著)―― わずか2年5ヶ月の指宿ステイでした。

県立奄美図書館館長を退職した島尾敏雄氏は鹿児島純心女子短期大学の図書館長に就任し、その後指宿に移り住んでいます。奥様の病状を慮ってのことだったようです。当時の指宿図書館司書、大吉さんは何度かJRで鹿児島市内に向かう島尾敏雄氏と同席したそうです。ミホさんは女優のように美しく島尾さんは図書館はどうですか?と気にかけてくださったと聞いています。名作、死の棘は、指宿が最終執筆地になったようです。

また、久保田彦穂館長、椋鳩十氏は、親子読書20分間運動の一環で昭和30年から40年の10年間一月も欠かすことなく親子読書会の指導に指宿枕崎線にガタゴト揺られながら指宿図書館に通われました。その時のお母様方の親子読書活動を綴方(作文)にまとめたのが文集、柳和でした。その文集は3巻目から文芸いぶすきと名前を変えて現在62号原稿を募集中です。久保田彦穂館長は、時には映画の技術者も同行され、指宿高校の体育館で映画会も上映され、当時映画館のなかった指宿市民を喜ばせたとの記録もありました。

その久保田彦穂館長が昭和24年に始めたのがジープによる遠隔地配本でした。のちにこのジープは、スバル号として活躍することになります。これは米軍の払い下げのジープのようでした。移動図書館車、ブックモービル(BM車)の暁は千葉県、そして高知県だと聞いています。そのBM車を一躍日本のブームに押し上げたのが東京都日野市立図書館の前川恒夫館長でした。詳しくは移動図書館ひまわり号と言う本をご覧ください。

こんな背景のなかで鹿児島県も割に早い時期に移動図書館車を走らせたのは久保田館長の力量だと思われます。

昭和31年には今和泉の松林海岸で指宿図書館は林海図書館を開設していた写真入り記録が残されています。その頃の指宿には、174の読書グループが市内に散在し1002名の方が登録されており、そこで使われていた本は県の貸し出し文庫を活用したものでした。

そんな歴史のある指宿市にブックカフェ号が生まれたのは、極自然な流れではないかと思ったりしています。この地に素地はあった、と。

最後にブックカフェ号を連れてきているので、ぜひご覧くださいと促しました。

何人かの方が行きご覧になり、募金箱に募金をしてくださったり、オリジナルプレンドコーヒーや支援缶バッジを買ってくださいました。

園の設置者や園長先生73名に園の中での取り組みの大切さ、読書推進の大切さを、子供たちの可能性を話せた75分でした。

貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。 ふつつかな私の至らない話に耳を傾けてくださったことに感謝です。

2、3の園長先生が、ぜひ、うちの保育園にも来てください、との声かけをいただきました。

ブックカフェ号、出動です!!


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